沢山観て、読めば質になるか?
昨日はオンラインで「大人の鑑賞教室」を開きました。
この大人の鑑賞教室は、 たくさんの作品を見て語り合うというものではなくて2点が3点の作品を深く掘り下げていくというものです。
よくたくさんアート作品を見れば、自分の 作品を見る力アート鑑賞力が高まると思ってる人がいりますけれども、実際はそうとは限りません。
例えば 100の作品を観るよりも、一つの作品を深く掘り下げていくことの方が自分の鑑賞眼を上げることに役立つこともありますが多いです。
これ読書に似ています。 今は速読など多くの本を読みたくさんの情報を自分の頭の中に入れることが 頭がいいことであるとか、思考力があることであると思われがちです。
けどもそれはただ本に書いてある文字を、自分の頭の中のメモリーにコピペしているだけであって、自分で新しい考え方であることが思考力を生み出しているということにはなりません。
知識を増やすことと、知識を深めることは違います。
知識を深めるためにはただ沢山本を読んで、暗記するだけでは思考力は身に付きません。
一冊の質の良い本から、そこから何を汲み取れるかということをしなければいけません。
質を高めるために私が行っていること
しかしながら、たくさん情報を自分の頭に入れることを知識だと勘違いしている人には、それ以外の方法がわからない。 深く読むという意味合いがわからない、もしくは深く読むというやり方が分からないです。
今回のアート鑑賞会も私は作品を深く読み解くっていうことに注目しました。実際鑑賞会をする時は参加者が深い思考力そして高い視点に目を向けることができるような質問をいつもするように心がけています。
(質問自体は簡単です。簡単だけど本質を突く質問を意識しています。)
基本私が答えを出すことはしません。
私が答えをだして、それを参加者が頭の中にコピペしてるだけでは、私が目指している哲学的・美学的思考力とはかけ離れてしますからです。
このようなことは、読書だけではなくて、私が教えているサルサダンスにも共通することです。
たくさんの種類の技やダンスステップを覚えることよりも、基本ステップが重要だと言われます。それはなぜかと言うと基本ステップというのはどのような形であっても全ての技に必ず出てくるからですね。
基本のステップの精度をあげれば、技の種類を覚えることなくても、全てが のダースクオリティが上がることとなります。
ダンスにおける基本ステップもしくは一冊の本を深く読み解くっていうのは情報の量としては少ないかもしれませんけど、その質を高めるたことが重要だということです。
その質を高めることで高まるレバレッジ の重要さを気づいている人と、 そう出ない人がいます。
質より量のほうが分かりやすいから、人は飛びつく
現代の世の中ではたくさん本を読むことのほうが重視されています。
速読とか、ひと月に何十冊本を読んだとか。
何故かと言うと、人に話しても分かりやすいからですね。
どんな人にも量が多いか少ないかはわかりますが、
質っていうのはなかなかそれは分からない。特に情報や思考力の質は目に見えませんから。
それは受け取る本人の器であるとか物を考える力というものによってしか、それを感知することができないからです 。
「モノを見る目」を養う大人のアート鑑賞会
私がやってるアート大人のアート鑑賞会は「モノを見る目」の質を高めることを目的にしています。
ということは言ってみれば他人から見てみれば非常にわかりづらいことをしているわけです。笑
みんなで100個のアート作品を鑑賞しよう!!!としたほうがウケがいいことは知っていますが、そんなことは他の人でも出来ることなので、私があえて自分の人生の時間をかけてする必要もないなと思います。
けれども、「モノを見る力」の質を高めることが現代の大人にとって重要だと思って私はこのようなやり方で大人の鑑賞教室を行っています。
「そんなことをして楽しいの?」と思われる人もいると思いますが、裏ストーリー満載の知的な攻略ゲーム・RPGゲームだと思えば、その楽しさをイメージしていただけると思います。