コーチングの質より集客!で見えなくなるもの


最近はコーチになる人が増えて、自分の仕事に活かすだけでなく、独立してコーチングをする人も増えました。

そうなると、自分で稼いでいくしかありません。そういう流れでは「コーチング技術より集客やマーケティングが重要!」と言われます。
しかし、これではもっと根本的な問題が見えなくなっています。

稼げないコーチに群がる人たち

コーチングと言う物が認知されるようになるにつれ、コーチングを受けたい人より、コーチングをしたい人の方が増える率が高くなり、ビジネス的には上手くいかないことも多いというのが今の現状でしょう。

稼げない人が多いところには、「こうすれば稼げますよ!」というマーケッターやコンサルタントが集まります。

そうすると、「コーチングスキルより、集客、マーケティングが大切です。」となり、コーチも「スキルはあるのに稼げないな。」と自分の状況をみて感じているので、スキルより集客!」となりがちです。

私も20年以上独立してビジネスをしていますので、集客の重要性を理解していますし、技術が素晴らしくてもビジネス的に立ち行かなくなって廃業する人も多く見てきました。

しかし、コーチングやカウンセリングの技術よりも集客・マーケテイングが重要!というのは間違いです。

大した技術や価値のないものを、マーケティングの手法によって良いものであるかのように見せかけて売るという考えはいかがなものか?と私は思います。

コーチングを始める人の特徴

コーチを目指す人は、多くは自分がコーチングを受けて、非常に助かった、役に立ったという思いからはじめる方が多いです。

そのため、コーチングとは「素晴らしいものだ!」という考え方が強くなりすぎるのです。

人は自分が実際に経験したことに強い臨場感を持ちます。
コーチングで自分が助けられたと思う人は、コーチングを否定することが出来ません。

それはコーチングを否定することは、助かった自分も否定することだからです。

自分自身の存在とコーチングという仕事が同一化してしまいがちなのです。

 

 

手に入れたものを手放せない

また、コーチになるにはコーチングスクールが決めたカリキュラムを修了し、認められればコーチになれます。

日本には非常に多くのコーチングスクールがあり、資格発行の厳しさもピンからキリまであります。

安くないコーチングスクールの資格を得てはれてコーチになるわけですが、実際にそのコーチングのスキルはどのくらいのレベルなのか?そもそもコーチングのメソッドの弱点はないか?ということは考えようとはしません。

そして、コーチの資格をとるとますます、コーチングの価値を守ろうとします。
それだけ、お金と労力をかけたものを価値が低いとは思いたくないのが人間です。

良い面にだけ目を向け、悪い面には目を背ける状況の中で、マーケティングやコンサルタントから、「技術はよくても、マーケティングをしないとダメだ!といわれると、そうかな?とそちらにすぐに同意してしまうのでしょう。

 

コンテンツの質が大前提

マーケティングには大したことがないものでも、素晴らしいもののように見せかける技術があります。

しかし、価値のないものはいつか飽きられますし、悪評はすぐにSNSなどで広がります。

一発屋としてお金を稼ぐ方法もビジネスではありますが、それには引き際が非常に大切です。ですが、コーチングをする人がそのような一発屋ねらいであることはほとんどなく、どちらかというと、長期的にクライアントにかかわっていきたい人がほとんどだと思います。

 

そもそも、同じような商品を売っている人が同じようなマーケティング手法で売っているのをよく見かけますが、これでは競合に勝てないだろうなと私は思います。

○○コーチング資格、△△コーチング資格といったところで、コーチングについて詳しくない人にはその差は理解できません。

そういうコーチが、同じようなマーケティング戦略で同じように売れるのか?

例えればあなたがアマゾンで特徴のないどこにでもある大量生産の商品を売るとします。他者との差がはっきりせず、競合が沢山いれば、アマゾンという集客力のあるサイトに登録しても、価格だけが判断基準になってしまいます。

これでは、自分のコーチングのすばらしさをきちんと伝えるこのは出来ません。

マーケティングの手法は変わる

資格の価値は世間が決めるもので、あなたが決めるものではありません。

コーチングという資格が世の中にあふれている今は、残念ながらその価値は低まってきています。

それをマーケティングによって価値があるようにみせて売り上げを上げようとしても限界があります。

今、コーチング関係で一番稼いでいる人たちは、コーチに稼ぎ方を教えているコーチやマーケッターやビジネスコンサルタントです。

コーチはクライアントを見つけることに意識がいって、お客になっていることには無頓着なように思います。

日本中で多くの競合が自分と同じようなマーケティング手法でクライアントを探したら、すぐに飽和状態になるのは目にみえてますね。

自分のコーチング技術ではなく、マーケティングばかりに目をむけているコーチはそのマーケチング技術が古くなったらどうするのだろうと思います。

永遠に古びないマーケティング技術などありません。

 

コーチングの質を再考する

私はやはり一番大切なのは、コーチングの質であると考えています。
その質があってはじめて、マーケティンングなどによって多くの人に知ってもらう意味があるのです。

コーチングの質とは、コーチングの学校で教えてもらったもとをすべて暗記し、理解していることではありません。

コーチングの本質「人の目標や成長をサポートし、アドバイスする」から考えれば、もっと広い視野で、人とは、世界とはという根源的な事柄に関することを学ぶべきです。

コーチングはそういう視座から言うと、非常に範囲が狭いと私は考えています。

 

私は今のコーチがすべきことは、マーケティングではないと私は考えます。

まず、すべきことは自分が提供している物が本当に価値があるのか?を一から問い直すことです。

コーチングに救われたから。
みんながやっているから。
成功している人がいるから。

という理由ではなく、まず、コーチングの根本原則は正しいのか?を今一度検証すべきでしょう。

それが出来るようになるためには、コーチングの枠のそとから、コーチングの在り方を俯瞰できないといけません。もっと、自分の世界観や思考力を高めて、人をサポートし助言するに足る質を保つ努力と勉強が必要なのです。

しかし、残念ですがコーチング業界ではそれはかないません。
コーチングはコーチング業界と一体化していて、自分自身を否定することが出来ないからです。

私は人を導き、サポートする仕事は尊いものだと考えています。
だからこそ、よりよい方法を世の中に広めたい。

そう考えて、メタ・アーチングを行っているのです。



美学・哲学・アートに関するメルマガを配信しています