マインドブロックとか言っているから、自分の弱さを克服できない

 

「マインドブロックを外しました!!」と嬉しそうに言う人がいますが、

まず、外れるか、外れないかというより、実はマインドブロックというものがそもそも存在しないと私は考えています。

 

そもそもマインドブロックとは何?

マインドブロックという言葉がどのように使われるかを見てみると、

自分ではこうしたい!と思っているのに、それを押しとどめるような心の働きが出てきてしまう。
そういった心の働きをマインドブロックと言っています。

 

そのような心の働きは大昔から様々な文学にも描かれている心の葛藤です。

しかし、それを使っている人たちの認識はマインドブロックと心の葛藤では大きく違います。

 

 

「心の葛藤」と考えるとき、その主体は自分で、自分が自分を押しとどめているという認識があります。

しかし、マインドブロックと考えるとき、主体はマインドブロックで、マインドブロックが自分の邪魔をしているという認識が強いです。

 

マインドブロックという言葉を使うことで、自分の恐れ、臆病さから目をそむけて、マインドブロックという外部の物が自分を邪魔しているという風にすり替えているんです。

 

 

マインドブロックという言葉ですり替える

マインドブロックなどという言葉は、あっても、なくてもいい言葉です。

そんな言葉昔は無かったけど、人間は自分の恐れ、臆病さを自分で克服しようとしてきました。

しかし、自分の弱さに向かえない人たちにはマインドブロックという言葉が都合がいいから使われているだけです。

自分が悪いんじゃない、マインドブロックが悪いんだ!

というわけです。

 

しかし、よく考えてみればわかることですが、そのマインドブロックを作り出しているのは誰なのか?

マインドブロックは病原菌のように外部からやってくるわけではない。
全部自分が作り出しているのです。

本来であれば、作り出す自分に向き合わなくてはならないはずです。

 

「いや、私は自分の中からわき起こる怖さを消したいから、マインドブロック解除をするんです。」という人がいるかもしれません。

もしそうなら、マインドブロックなどという言葉は使うべきではありません。

人間というものは、自分に甘くなるものです。マインドブロックという言葉を使う時、無意識に心の葛藤を他人事にしてしまうからです。

本当にマインドブロックのことを自分の弱さや臆病さだときちんと認識していたら、

「マインドブロックを今日も沢山解除しました!」と毎日言うなんてことはありません。

毎日解除するってことは、毎日いまだに臆病だってことで、全く進歩していないということです。

「私は臆病者で今日も自分の弱さを克服できないでいました!だから、毎日怖くて思うように行動できません。」

とは言いづらい。そこでマインドブロックなどという、他人事な言葉でお茶を濁しているわけです。

 

マインドブロックは自分に目を向けず、他の物のせいにしてごまかすために作り出された言葉です。

 

ですから、マインドブロックが外れた!というのはおかしい。

もともと存在しないものを、都合よく作り出しておいて、外れた!とか、出てきた!と騒いでいるのはただの、自作自演です。

マインドブロックより大切なこと

そんなことを自覚しないでいくらやっても、怖れ、臆病さを克服できません。

まず、そういった誰かの作った言葉を鵜呑みにしないこと。

そういう言葉を安易に使わないこと。

そして、一番大切なのは

そういう言葉の仕組みや世の中のことを見通せる思考力を身に付けることです。

メタ・アーチングでアートや現代哲学を重視しているのはこのためです。



美学・哲学・アートに関するメルマガを配信しています