アート思考法がコーチングで必要な理由

今、様々な分野(科学、数学、生物学、宇宙研究、経済など)でアートを取り入れた様々な試みが行われています。今までも心理学や教育の分野ではアートは活用されていましたが、昨今は今までアートとはかけ離れていると思われていた、理系分野での活用やコラボレーョンが見て取れます。

なぜ、今そのような動きがあるのかを考えながら、私が提唱するメタ・アーチングでアートの思考法を使うのか、書いていきます。

アートと他分野との関わり

全てが細分化され過ぎている

今の学問や研究は細分化され過ぎて、そこで研究している人たちは袋小路に入ってきているようです。

そこで、別の分野の研究者とも情報交換や交流をもつことで、新たなアイデアを模索する動きがあるようです。

一例ですがカブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)がアートを取り入れたプログラムを行っています。

カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)は、数学と物理学の連携により宇宙への根源的な疑問に答えるために設立された国際的研究です。

そのKavli IPMUにアーティストが滞在し、作品を作り上げるのです。アーティストは最新の数学や物理の理論を研究者から聞き、研究者はアートの現場にも入り込み創作を手伝うことができます。

このプログラムの目的を見てみますとHPにこのように書かれています。

まず、研究者が、ものの見方や手の使い方といった芸術家が培っているある種の技術を、なんらかの形で自身の研究活動に生かすことです。また、芸術家の介在により、通常とは異なる形で研究者同士を結びつけること への貢献です。

一方、アーティストは Kavli IPMU で営まれているサイエンスを自らの方法で融合し、作品として結実させます。

そして最終的に、こうした芸術とサイエンスの関わりの中で生み出された 作品を展示の形で紹介することにより、一般講演会等とは異なる形で広く一般の方にKavli IPMUのサイエンスの一端に親しんでいただく機会とするものです。

Kavli IPMU のような数学と物理の合同研究所が出来たことも画期的ですが、そこにアートが加わることによって、今までの発想とは違うアプローチを探ろうとしています。

そして、それらを上手くつなぎ合わせる力がアートにはあるのです。

一般人へのアプローチ

Kavli IPMU のプログラムの目的にも書かれていたように、専門的で難しいことを「広く一般の方に」知ってもらうツールとしてアートはよく使われます。

本来、専門的な数学、物理、科学と言ったものは、説明されてもなかなか一般人には
分からない。そもそも、非常に抽象的な事柄なので目に見えない。

そういった目に見えない「論理」をアートによって可視化し、一般の人に興味をもってもらおうということです。

なぜ、一般の人に興味をもってもらわないといけないのか?

一つには研究費や予算が減ってきているということがあるでしょう。

ただ、象牙の塔の中で研究しているだけでは、世間の理解が得られない、世の中から重要だと思ってもらわなければ、寄付や予算は集まらないでしょう。

こういう研究の分野でも、国にお任せしておけば安泰ということは無くなりつつあるようです。

このような試みは、地方再生のためのアートイベント、差別撤廃、平和運動などのプロパガンダに使用されてきました。

第二次世界大戦中では、戦争画などをアーティストが国の依頼で描いていたこともあります。

そのように、アートがアートとして純粋に存在できることもありますが、そうではない時もあります。

様々な分野に活用されるのは、アートの人々への影響力があるという証拠です。

その良し悪しは様々なケースがありますが、それもアートの大きな一面であることは確かです。

普遍的なテーマは同じ

では、アート、特にFine artは世界の根源的な事柄をテーマにし、完成度の高い物が多いです。

人間とは?
死とは?
時間とは?

こういった事柄は、実は様々な分野の専門家が自分の研究目的を語る際にのべています。

ロボット研究者の石黒浩氏はロボットを研究することで人間とは何か?と考えるようになると言います。

生物学者の本川達雄氏はナマコの研究から、人間の限界や驕りについて語っています。

分野は違えども、行きつく疑問や考え方はよく似た抽象度の高い事へと集約されるのです。

一見、理系の数学や物理とは正反対のアートが一緒に活動できるのは、その抽象度の高い所で共通点がお互いに見出せるからです。

その為には、双方がそれなりの抽象度を保っていないと、逆に相手の思考や論理を自分勝手な考え方でゆがめてしまう可能性があります。

そのことはアートの危うさであり、難しさだと私は思います。

コーチングを隔離しないために

ここからはなぜ私がメタ・アーチングにアートを取り入れるのかについてお話します。

コーチング・ファーストの危険

コーチングやセラピーという人の人生をサポートしたりアドバイスする仕事の人は広い視野を持たなくてはいけないと私は考えています。

コーチやセラピストになるのに、その分野のことだけを講座を受けて習得すれば十分などということはありません。

クライアントが気が付くことが出来ない広い視点でいることが重要です。
コーチやセラピストに固定概念に縛られていては、それを受ける人たちはその思考の枠から抜け出すことは出来ません。

問題はコーチやセラピストが自分では固定概念に縛られていることに気づいていないことです。

コーチングの講座や心理学でも様々な人間の固定概念について語られますが、そのもっと上位概念で意識できないでいる固定概念やシステムまで語られることはありません。

それが、既存のコーチングやセラピーの限界なのです。

その限界を打ち破るために、私はアート思考法を活用します。

アートを取り上げることで、そのアートが破ろうとしている固定概念について語ることができますし、アーティストの視点を考えることによって、その思考法について学ことが出来ます。

そのように、アートは既存の枠の外の可能性を示してくれるよいツールなのです。

アートは世界のあらゆることがテーマとなる

また、アートで取り上げられているテーマは世の中のありとあらゆることです。時代によってもそれは変わります。

私たちは過去に戻って、その時代の人達の考え方を聞くことは出来ませんが、アート作品には歴史的な事実から取りこぼされるような、民衆の感覚も描き出されていることがあります。

その時代人々がどのような空気感で生きていたのか?それがどのように私たちの考え方に影響を与えてきたのか?に気づくことができます。

世界の森羅万象を知るうえでアートは非常に都合がいいのです。

アートは人類の歴史とともにあるといっていいでしょう。

アートをみれば、歴史、宗教、文化、技術、考え方など様々な分野に思考を広げていけるのです。

それを繰り返すことによって、ふ人間とは、世界とはということが徐々にクリアーになっていくと考えています。

もちろん、そんな大きな問いがすぐさま解決できるわけではないですが、さまざまな問いを考えるヒントをアートは与えてくれます。

思考レベルの違う人達が同時に語り合える

俯瞰的に見る力は、ただ知識をインプットするだけでは作れません。

コーチングの知識をすべて丸暗記していたとしても、その知識の量と高い視点で物事を見ることは全く別の事柄です。

得てして、知識が沢山あれば、物事をよく解っていると勘違いしがちですが、層ではありません。

最近AIの技術革新がすごい速さで進んでいますが、情報を正確にストックし、検索する技術は人間は普通のPCにも負けます。誰でもスマホがあれば、一般的な知識にはすぐに到達できるのです。

知識の量は自分の売りにはなりません。

今後は、まだこの世の中にはない全く新しいものを生み出す創造力、AIを活用する専門家、まだ解明しない事柄を解き明かす最先端の専門家、それらを統合して活用利用する人が重要視されると考えます。

物事を改善していく時代はもう限界まで来ていると思います。

改善か?創造か?

で言えば、改善の方が失敗するリスクは低いです。

しかし、すでに改善しつくされ、さまざまなパイが減る状況では、創造の道しかのこされていないと私は考えます。

創造分野も雨後のタケノコのように、個人が創造的活動が出来る時代に、そのクオリティーが問われるのではないでしょうか?

アートにはそれに対応できる歴史と厚みがあります。

また、学問分野は言語表現が基本ですが、アートは非言語表現という全く違うアプローチで問題にあたります。

非言語表現は人によって好きに解釈され過ぎるという欠点がありますが、逆にさまざまな抽象レベルの問題を同じ土俵でしめすことのできるツールです。

コーチングやセラピーをする人の間で、思考力のレベルは様々でしょう。

その差があってもアートはそこに居合わせた人たちのレベルで問いかけができます。

アートを鏡の様に使い、自分や他人の思考を相対的に見ることが出来るのです。

アートのそのような柔軟性がコーチやセラピストの実力アップに活用できると考えています。

さまざまな分野でのアートの活用法とコーチングやセラピーに役立つメタ・アーチングへの活用法を書きました。

是非、あなたもメタ・アーチングのアート思考法を活用し、人生やビジネスを実りあるものにしていっていただきたいと願っています。

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