起業したら商品は何を売ればいいのか?劣化商品は売るな


ビジネスをこれから始めようとする人は、まず何を売るか?で悩む人が多いです。

何を売るかは決まってないけど、でも、起業したい、商売したいという人が多いですが、そういう人は思い違いをしています。

商品は物やスキルではない

起業志望の方に多いのは、とにかく独立して、自由に働きたいけれど、何を売ればいいのかわからないという話をされる方です。

独立する強い動機や想いはあるけれども、商品がない。

コーチングができて、心理学を勉強していて、コミュニケーションやスピーチの勉強もし、税務にも強い、英語も堪能・・・

でも、商品がない。

 

まず、大事なことですが、商品が無ければビジネスは出来ません。

自分の頭の中で、あれも出来る、これも出来ると考えているのは商品ではないんです。

実は商品というのは、物とかスキルではないんです。

商品とは・・・

「自分の可能性を言葉で切り取ったもの」なんです。

アーティストが作品を作るとき、それは自分の制作技術を売っているわけではありません。

メキシコ出身の現代アーティスト、ガブリエル・オロスコは粘土を両手に握りしめて形を作ったものを写真に撮り、≪私の手は私の心臓≫と題し作品としています。

粘土はどこにでもある素材ですし、誰だってそれを握って心臓の形に見せかける行為も簡単にできます。

しかし、そのようなどこにでもある世界の一部を切り取り作品=商品と位置付けることで、商品が出来上がるのです。

 

 

現在売れそうなものは時代遅れ

私は今主流のマーケティングやAIによる市場分析は、創造性とは真逆の発想だと考えます。

これらは、今ある世の中をなんらかの手法によって分析しようとする行為です。

世の中の人は何を望んでいるのか?
どのような傾向にあるのか?

情報が沢山集まれば集まるほど、世の中を正確に把握できると思っているようです。

しかし、それは嘘ですね。

もし、仮に多くの人が望んでいることや知っていること全て知ることができたとしても、次に来るイノベーションは予測できません。

今の世の中の主流を作ったものは何か?

それは、最初はごく少数派が起こすイノベーションです。その萌芽はビックデータでは見向きもされません。

ビックデータやマーケティングは結局は数を問題としているだけで、その質は問いません。

結局、マーケティングというのは気まぐれな消費者の後を追いまわしているだけなのです。

消費者の希望に沿って物を作るのは職人です。

アーティストは消費者の動向を見てはいますが、それをどのように裏切るか?にしのぎを削るのです。

 

そう考えると、一般的なビジネスより本物のアーティストの世界は過酷だなと思います。だから、私はアーティストをリスペクトしているのです。

 

あなたは気まぐれな消費者の後ろを追いかけまわすビジネスマンになりたいですか?

それとも、自分が消費者を先導するビジネスマンになりたいですか?

 

 

簡単に儲かるものは、すぐに競合が増える

とは言え、ビジネスの初心者だから、難しいものは売れません。簡単に稼げる商品が欲しいのです。

このような声も多いです。

 

まず、こういう方に言いたいのは、「ビジネス初心者」というモノはこの世にはありません。

自動車の若葉マークや水泳初心者教室と同じに考えてもらっては困ります。

ビジネスというフィールドに出たら、初心者とか、ベテランとか階級別で試合が行われるわけではありません。

無差別級オールジャンルのNoルールの弱肉強食の世界です。

 

自分から「ビジネス初心者」ですなどと言ってはいけません。

私はか弱いウサギちゃんです!と狼の群れの中で無邪気に宣言してるのと同じです。

いいように、丸め込まれて、カモにされてしまいます。

 

 

まあ、それはさておき、簡単に稼げるものは、すぐに競合であふれかえります。

つまり、一番おいしい蜜を吸った人だけが大もうけをして、ほかの人は余りものを取り合って消耗するパターンです。

今までの歴史を見てきてもそんなことは、明らかです。
簡単に楽して稼げるものを商売にしたければ、まだ人が手を出さない内からやるしか、儲かるすべは有りません。

「これが流行りだ!儲かる!」と世の中が認知してきたら、終焉はもうすぐですから、早めに稼いでとっとと逃げ切ることが肝心です。

スピードが命です。

私はそういうのは不得手なので、手を出すことはないですが・・・。

 

最新で最高の情報収集能力があり、器用で、ギャンブラー的才能がある人はいいかもです。

基本的に庶民には最新で最高の情報など回ってきません。

 

 

情報商材より思考商材を売れ!

私が起業したての人にすすめる商品は「言葉で作り出せるもの」です。

情報商材とは違います。
私が言うのは「思考商材」です。

 

情報商材とは人が知りたがっている情報を教えてあげる商品です。

つまり、ノウハウです。

しかし、今の世の中これ程誰でも簡単に情報にアクセスできる時代にはノウハウの価値は落ちる一方です。

今も情報商材を売っている人は沢山いますが、最近はバナナのたたき売りのように、過去の情報商材をまとめて50万円相当をタダで差し上げます!!と売る人が増えました。

それだけ、価値がなくなってきてるってことです。

 

情報やノウハウは鮮度が命です。

何年も前のものなど、ゴミと同じです。

私は時間が経つにつれて価値がすぐに落ちてしまうようなものは商品として売らないほうがいいと考えます。

 

だから、「思考商材」なのです。

ノウハウは誰でもコピペしてすぐにマネができますが、思考法、しかも、すべての概念の上に君臨する上位概念を真似することは、毎日訓練しても何年もかかりますし、一生頑張ってもたどり着けない人も多いのです。

そのように、参入障壁が高い商品のほうが、寿命はほぼ永遠ですし、応用範囲も多岐にわたります。

私が提唱するメタ・アーチングは現代哲学をベースとしたアート思考法ですが、

他の人に数年勉強しても追い抜かれない自信があります。その間にも私はもっと前に進んでいきますし。

それは、アートや哲学の知識を沢山持っているからではなく、普通の人の何倍もの上位概念から考える思考法ができるからです。

 

思考法には形は有りませんし、データ化もされません。

しかし、その形の何物を言葉にして商品にできれば、それは誰にも真似のできない商品になります。

構造主義の哲学者ソシュールはこう言います。
「私たちは言葉によって世界を振り分けている」と。

 

思考は言語化されたとき、世界を作るのです

それこそが今のデータや情報の生みの親であり、創造の器なのです。

 

結局価値のあるものは、簡単には手に入らないというのが、世の中の原理なんですよ。



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